MES IMPLEMENTATION — IN DETAIL
MES導入のご相談で、実際によく聞かれること
MES導入のご相談は、たいてい「何から決めればよいか分からない」という状態から始まります。ここでは、実際にいただくことの多い問いに、私たちがどう答えているかを書きます。製品を決める前の段階でも、すでに製品が決まっている段階でも、どちらでもご相談いただけます。
どこから相談すればよいか
現状把握からです。具体的には、いま現場で使われている帳票とExcel、拠点ごとの作業手順の違い、既存システムの構成の三つを並べていただくだけで、どこから手を付けるべきかがかなり見えてきます。これは資料を作り込む必要はなく、現物を見せていただければ十分です。
逆に、最初から要件を書き出そうとすると、現場の要望をすべて積み上げた仕様になりがちです。そうなると見積もりも期間も膨らみ、決裁が通らずに止まります。順番としては、先に「何を解きたいのか」を一つか二つに絞るほうが進みます。
製品が決まっている場合と、決まっていない場合
相談の中身が変わります。
| まだ決まっていない | どの工程を対象にするかを先に決め、それに必要な機能を洗い出してから製品を比べます。この順番でないと、機能一覧の比較表を作るだけで終わります |
|---|---|
| すでに決まっている | その製品の標準機能で満たせる部分と、作り込みが要る部分を分けます。差分の数が、そのまま費用と期間に効いてきます |
| すでに導入済み | いま動いているものを止めずに、どこから手を入れるかを決めます。作り直すより、対象工程を足していくほうが安いことが多いです |
自社に合うMESの選び方
機能一覧で比べると、どの製品も似て見えます。実際に差が出るのは次の点です。
- 多拠点に広げる予定があるか — 一拠点目を専用に作り込むか、テンプレートを作って差分だけ上書きするかで、二拠点目以降の手間がまるで変わります
- 現場の手順をどこまで標準に合わせられるか — システム側で全部吸収しようとすると、作り込みが際限なく増えます
- 既存システムとの境界 — 在庫・原価・部品表をどちらが持つのかを先に決めないと、同じデータが二か所にできます
- 稼働後に社内で触れるか — 製品ラインが変われば帳票もマスタも変わります。そのたびに外注する前提だと費用が積み上がります
サオスは特定の製品に縛られずにご支援していますが、DELMIA Apriso については2021年からダッソー・システムズのパートナーとして扱ってきたため、標準機能でどこまでできるのか、どこから作り込みになるのかを具体的にお伝えできます。
既存システムとの付き合い方
MESは単体では完結しません。実務では次の四つとの線引きが必ず論点になります。
| ERP | 計画と原価を扱います。入れ替える必要はなく、どちらがどのデータを持つかを決める作業になります |
|---|---|
| PLM | 何を作るかの定義を持ちます。部品表の版が変わったとき、現場にどう伝わるかが要点です |
| WMS・倉庫系 | 在庫の持ち場所が重なりがちです。工程内在庫と倉庫在庫の境界を決めておきます |
| 設備・検査機 | 取れる信号と、取れない信号を早い段階で確かめます。ここが後から効いてきます |
内製化と外注の線引き
すべてを内製する必要はありませんが、稼働後にマスタと帳票を自社で変えられるかどうかは、その後の運用コストを大きく左右します。現実的なのは、導入の途中から社内の担当者に入っていただき、設計の意図ごと引き継ぐ形です。稼働してから育て始めると、その間の対応が止まります。
技術者向けの研修もご用意しています。詳しくは MES教育サービス をご覧ください。稼働後の運用・保守を継続してお引き受けすることもできます(MES運用・保守サービス)。
よくある質問
- 小規模な単一工場でも意味はありますか。
- あります。全工程をいちどに対象にする必要はなく、トレーサビリティが求められる工程や、不良の原因追跡に時間がかかっている工程に絞って始められます。むしろ範囲を絞ったほうが効果が見えるまでが速くなります。
- 紙とExcelで回っています。導入できますか。
- できます。紙とExcelであること自体は障害になりません。難しくなるのは、同じ作業が拠点ごと・担当者ごとに違う形で行われている場合です。その場合はシステム導入と並行して、手順をどこまでそろえるかを決める作業が必要になります。
- 期間と費用はどれくらいですか。
- 対象範囲によって大きく変わるため、条件が決まる前の数字はお出ししていません。左右するのは、拠点数、対象工程の広さ、既存システムとの連携本数、現場手順の標準化の度合い、移行データの量と品質です。導入の進め方のページに詳しく書いています。
- 海外拠点も対象にできますか。
- できます。日本語・英語・中国語で対応しており、海外拠点を含む展開でも同じ体制で入れます。一拠点目の段階で展開の予定を伝えていただくと、テンプレート化を前提とした設計にできるため、総額が変わります。
- 途中から引き継いでもらうことはできますか。
- できます。進行中のプロジェクトや、稼働済みのシステムの引き継ぎもお受けしています。まず現状の構成と、いま困っている点を伺うところから始めます。
























